この記事は2024年1月26日に最新情報に更新しています。
【SLIM月面着陸成功】JAXA、新たな宇宙開発の歴史を刻む
背景と開発の経緯
- SLIMの開発は約20年の年月を要しました。当初の計画では小型ロケット「イプシロン」を使用する予定でしたが、大型ロケット「H2A」への変更が必要となりました。この変更により、開発の見直しが必要となり、様々な技術的課題を乗り越えてきました。
SLIMの打ち上げ
- SLIMは2023年9月7日に鹿児島県の種子島宇宙センターから打ち上げられました。打ち上げ日は当初2023年8月26日とされていましたが、天候悪化のため複数回の延期を経て、最終的に9月7日に実施されました。そしてSLIMは、2024年1月20日午前0時20分に月面に着陸しました。
- ただ着陸は成功しましたが、直後に機体の太陽電池が発電していないことが判明しました。そのため数日を予定していた月面での活動を、数時間に短縮せざるを得なくなりました。
JAXAからのコメント
- 山川宏理事長「わが国の技術で、月面へのアクセスに新たな道が開けた。海外にもさまざまな知見を提供していけるだろう」
- 国中均・宇宙科学研究所長「辛口だが、ぎりぎり合格の６０点だ」
- 藤本正樹・宇宙科学研究所副所長「着陸後のSLIMから送られたデータをすぐに分析し、機体がどんな状態にあるのかを一刻も早く知りたくて仕方がない」
【ピンポイント技術】SLIMの着陸成功が意味するもの
ピンポイント着陸の実現
- JAXAの探査機SLIMは、目標着陸地点への誤差を他国の探査機に比べて10分の1以下、すなわち100メートル以内に抑えるピンポイント着陸を目指しました。この技術は、月やその他の天体探査において重要な役割を果たすことが期待されています。この技術によって、より正確な着陸が可能となり、将来の探査ミッションの成功率が向上します。
SLIMの着陸過程
- SLIMは、2024年1月20日午前0時20分に月面に着陸しました。着陸の成否は、その明け方までに明らかになりましたが、ピンポイント着陸の成功については、SLIMから送信されたデータを精査した上で約1か月後に発表される予定です。SLIMの月面着陸は、国際的に注目される出来事でした。
SLIMの技術的挑戦
SLIMのピンポイント着陸技術の実現には、新しい技術が導入されました。これには「画像照合航法」と「自律的な航法誘導制御」が含まれます。これらの技術を用いて、SLIMは月面での正確な位置推定と航行が可能になりました。特に画像照合航法では、探査機が撮影した画像を処理し、自身の位置を測定して修正することで、目標地点に正確に着陸することが可能になりました。これにより、クレーターや岩などの障害物を避けながら、誤差100メートル以内での目標地点への着陸が可能となりました。
SLIMの重要性
- 無人探査機SLIMの計画は、将来の月惑星探査に必要な着陸技術と小型で軽量な探査機システムの実現を目指しています。SLIMは、去年9月7日に種子島宇宙センターから打ち上げられ、月周回軌道への投入に成功しました。その後、月に向かって段階的に降下し、着陸を成功させました。この成功は、日本の宇宙探査にとって大きな一歩となりました。世界でも旧ソ連、米国、中国、インドに続く5カ国目の快挙となりました。
【探査ミッション詳細】SLIMが解き明かす月の謎
SLIMの主要ミッション
- SLIMの主要なミッションは、月の岩石を調査して月の起源に迫ることです。SLIMには、月の鉱物に含まれる鉄の量などを測定するために、JAXAや立命館大学、会津大学などのチームが開発した「マルチバンドカメラ」という重さ約4キロの特殊なカメラが搭載されています。このカメラは、月面の岩石に含まれる鉱物の種類や成分を分析し、月の起源の解明に貢献することが期待されています。
月の起源説
- 現在、月の起源については複数の説がありますが、最も有力なのは「ジャイアント・インパクト説」です。この説は、地球に別の天体が衝突し、その結果地球のマントルの一部が宇宙空間に飛び出し、それが集まって月が形成されたとするものです。SLIMの探査結果は、この説を補強する可能性があります。
【補足】ジャイアント・インパクト説とは
ジャイアント・インパクト説（Giant Impact Hypothesis）は、月がどのように形成されたかを説明する学説です。この説によれば、約46億年前、地球が形成された後間もない時期に、火星とほぼ同じ大きさの原始惑星が地球に斜めに衝突しました。この衝突により、原始惑星は破壊され、その破片の大部分は宇宙空間に飛び散りました。一部の破片は再び地球に落下しましたが、多くの破片が地球の周囲の軌道上に残りました。これらの軌道上の破片は、一時的に土星の環のような円盤を形成し、最終的には合体して月を形成したとされています。コンピュータシミュレーションによると、この過程で球形の月が形成されるまでにかかる時間は1年から100年程度とされています。この説は、月の形成に関する他の理論（分裂説、兄弟説、捕獲説）が解決できなかったいくつかの問題を説明することができるため、現在最も有力な説とされています。
月面探査の意義
- SLIMによる月面探査の成功は、月や地球の起源を理解する上で重要な意義を持ちます。また、将来の月探査や国際協力において、日本の技術が大きな役割を果たすことになると期待されています。さらに、月面探査の競争が激化している現在、SLIMの成功は、日本がこの分野でリーダーシップを取る上で非常に重要です。
【緊張の20分間】SLIM着陸の舞台裏
着陸前の準備と期待
- JAXAの探査機SLIMの着陸前準備は、月面に向けた最終調整の段階にありました。これには、SLIMの軌道を調整し、着陸地点への精密な進入を確保する作業が含まれています。特に注目されていたのは、SLIMの着陸の瞬間で、その成功はJAXAにとって非常に重要でした。SLIMの月面着陸は、技術的なチャレンジであり、日本の宇宙探査における重要なマイルストーンを表しています。
着陸方法の革新
- SLIMの着陸方法は従来の方法とは異なり、転ばないように着陸する代わりに、あえて倒れ込む方法を取りました。このユニークな着陸方法は、これまでに例のないものであり、JAXAにとって重要な技術的な試みでした。SLIMの着陸は、通常の8倍の速さで飛行する旅客機を甲子園球場のマウンドを目指して着陸させるような難易度がありました。
着陸の瞬間とその影響
- SLIMの着陸成功は、日本の宇宙開発に新たな道を開くことになり、多くの人々の努力と期待が結実した瞬間でした。着陸までの最後の20分は、JAXAチームにとって緊張と期待が交錯する長くて短い時間であり、その成功は、月や地球の起源を探る上での重要な一歩となりました。
【月面探査の今後】JAXAの次なる挑戦とは？
月面探査の将来的な展望
- SLIMの成功は、月面探査を含む宇宙開発の新たな段階を意味します。将来の月面探査では、より詳細な月の起源の解明が目指されるとともに、月面での資源探査や基地設置など、より複雑なミッションが計画される可能性が高まります。また、SLIMに搭載された技術は、日本が国際的な宇宙探査プロジェクトに貢献する基盤となります。
国際宇宙競争への影響
- SLIMの成功は、日本が月をめぐる国際的な宇宙開発競争において、より大きな役割を果たすことを意味します。特に、月の資源探査や有人探査プロジェクトへの参加において、日本の技術とノウハウが重要な要素となります。さらに、SLIMに搭載された技術は、他の国々との協力関係を強化し、日本の宇宙開発技術の国際的な地位を高めることに寄与すると考えられます。
民間企業の関与と今後の展開
- SLIMの成功は、民間企業による月着陸船の開発など、宇宙開発の商業化にも影響を与えます。民間企業との協力による宇宙開発は、新たなビジネス機会を生み出し、日本の宇宙産業の発展に寄与する可能性があります。
【国際的視点】月面着陸への競争と協力
JAXAの宇宙探査への挑戦
- JAXAはこれまでに小惑星への着陸を2度成功させており、引力が強い月への着陸はより難易度が高い挑戦とされていました。2022年11月、JAXAの無人探査機「OMOTENASHI」は通信確立に失敗し、着陸を断念しました。このような背景の中、SLIMの月面着陸は、日本の宇宙探査の新たな領域への挑戦を示しています。
国際的な月探査の激化
- 近年、月探査は国家間の競争が激化しています。特に月に水の存在が示唆されて以来、月は人類の宇宙活動の新たな拠点として注目されています。アメリカのアルテミス計画や中国の成功した月の岩石サンプリングミッションなど、各国が独自の計画を進めています。
JAXAの技術と国際協力
- SLIMのピンポイント着陸の成功は、月や他の天体への探査において必要な技術を日本が確立したことを意味しています。この技術は、国際協力においても重要な役割を果たす可能性があり、日本の宇宙開発技術の地位を高めることが期待されています。
世間の反応：成功を祝福
SNS上では、SLIMの月面着陸成功に対して祝福や賞賛の言葉が多く、日本の宇宙開発の進歩に対する誇りや期待を表現しています。ユーザーはこの歴史的な成果に喜びと国の偉業に対する誇りを感じていることが伺えます。また、一部陰謀論を伺う意見が見られました。以下はコメントの一例です。
肯定的な意見
- 「日本の探査機SLIM月面に無事着陸成功おめでと」
- 「月面着陸 達成、良かったです Proud of the team! 大きな一歩です！」
- 「着陸成功〜〜！！！！おめでとうございます！！！！ 」
- 「SLIM月面着陸おめでとうございます！」
- 「日本初の月面着陸成功おめでとう」
- 「JAXA探査機月面着陸成功！！おめでとうございます！！」
- 「素晴らしい！」
- 「月面着陸成功5カ国目に日本が！！日本製探査機 SLIM が月面に。お早い朝から素敵なニュースが届いてますね」
否定的な意見
- 「YouTube見たけどCGだったが？NASAの大きな嘘に付き合わされて日本国民の血税でCG作りですか？」
- 「宇宙はないので、月面着陸は、フェイクニュースでいいですよね」
続報、電源停止したが着陸データは取得
電源停止に関する内容
2024年1月22日、JAXAは探査機SLIMが1月20日午前3時ごろに電源が切れたことを発表しました。発電できなかった理由に関しては、太陽電池パネルに光が当たらなかったためです。ただバッテリーが尽きる前に、今回の目的であるピンポイント着陸に関する取得データを地球に送る作業を優先しており、着陸に関するデータは取得できたとされています。
電源停止に対するSNSの反応
SNS上では探査機SLIMの月面着陸への努力を認め、困難にもかかわらず達成した成果を肯定的に捉える意見や、探査機の電源停止を技術的な失敗と捉え、プロジェクトの管理や成果に批判的な意見、感想や状況に関する興味、詳細な情報への関心を示す意見がありました。中でも否定的な意見が多くありました。以下はコメントの一例です。
肯定的な意見
- 「発電できなかったのは残念！」
- 「よし、とりあえず無事に月面に辿り着いたのだからたいしたものだ。」
否定的な意見
- 「シロート技術まるだし。責任者を首にしろっ。」
- 「月にゴミ捨てただけか。何ならできるのこの国」
- 「悪い予感が当っちまった、、、」
- 「正直に言えないんだろうな。失敗だなんて。」
- 「うーん、失敗とは言わないまでも、正常に稼働する状態で着陸させられなかったら、成功とも言い切れない様な…。」
その他の意見
- 「陽が当たって復活しないかな」
- 「20日午前3時頃ということはJAXAの記者会見中に本体の電源が切れたのか SORA-Q(LEV-2)と通信装置(LEV-1)は正常に分離しLEV-1からのデータ送信も確認されていたはず 探査機の状態や月面の様子などの画像を期待したい」
ピンポイント着陸成功【2024年1月26日追記】
- 着陸精度: 2024年1月25日、JAXAはSLIMが元の着陸目標地点から約55メートル東に着陸したことを発表しました。障害物回避操作を開始する前（約50メートルの高度）の位置精度は、約10メートル以下、おそらく約3〜4メートルだったと評価されています。これは、100メートル以内のピンポイント着陸というSLIMの主要ミッションを達成したことを意味します。
- 技術データと科学データの取得: SLIMからは、着陸に至るまでの航法ガイダンスに関する全ての技術データと、着陸中および月面でのナビゲーションカメラの画像データが得られました。また、着陸直前に小型プローブ（LEV-1とLEV-2）が成功裏に分離されました。SLIMに搭載された多波長分光カメラ（MBC）も試験運用され、電源が切れるまで画像を撮影しました。
- LEV-1とLEV-2の成果: LEV-1は月面での予定された跳躍動作を実行し、地球との直接通信に成功しました。LEV-2（SORA-Qとも呼ばれる）は、変形可能なローバーで、側面が車輪となり、月面を移動できます。LEV-1は、自身が地球と直接通信するだけでなく、LEV-2への中継も担っていましたが、LEV-1からの月面画像の取得はまだ確認されていません。
- 技術的な課題: 着陸直前にメインエンジンの一つが失われたことが判明しましたが、この影響で想定と異なる姿勢で着陸したため、太陽電池パネルが西向きになり太陽光を受けていない状態です。ただし、今後太陽光が当たれば発電可能です。月の一日はおよそ1か月であり2月1日が月の日没となるため、1月中に太陽が当たることで電力が復旧し、月面観測が再開できる可能性があります。
- 開発者のコメント: ピンポイント着陸について、坂井真一郎プロジェクトマネージャーは「100点満点。設計で見込んだ実力を発揮してくれた」と述べ、このプロジェクトは大きな目標である「フルサクセス」を達成したことを示しました。
- SNSでの反応: SNS上では技術的な評価、成功を祝う感情、将来への懸念や期待など様々な意見が寄せられています。以下はコメントの一例です。
- 成功を祝うコメント
- 「やー、素敵♪嘘じゃなかったんだ。本当に行ったんだ。」
- 「SLIMの今後から目が離せません! ともあれよかったです。」
- 「お疲れ様でした～」
- 「月着陸機 SLIMさん ピンポイント着陸成功おめでとうございます。電源復活するといいですね」
- 「祝！ピンポイント着陸成功」
- 「おめでとうございます」
- 「みんな、いま宇宙業界ですごいことが起きてる。」
- 技術に対する評価
- 「JAXA探査機SLIMが月にピンポイント着陸に成功！日本初の月面着陸で快挙。米国等他国は目的地から2〜6kmの誤差があったが、日本は100mだった。顔認証と同じ画像照合航法を採用し、他国をリードできた。」
- 「ピンポイント着陸技術(誤差100m)以内に特化してて、名前が「ムーンスナイパー」は流石にかっこ良すぎる」
- 「100メートルの誤差で月に着陸できたということは、「核弾頭を積んだ大陸間弾道ミサイルの命中精度としては十分な技術力を日本は持っている」とイコールです。」
- 「SLIMタソ誤差3mてことは半径1.5mの円内にピンポイント着陸ってこと？？JAXAド変態すぎでしょ SLIM」
- 「誤差100mのピンポイント着陸なのに誤差3mって聞いて椅子から転げ落ちた」
- 他のニュースやイベントと比較するコメント
- 「おお！ 万博するよりこっちに予算つかうほうが盛り上がるんでは」
- 成功を祝うコメント
まとめ
このブログ記事は、日本の宇宙開発機関JAXAによる月面探査ミッション「SLIM」に関するもので、その成功とその意義に焦点を当てています。SLIMは、約20年の開発期間を経て、2023年9月7日に鹿児島県の種子島宇宙センターから打ち上げられ、2024年1月20日に月面に着陸しました。この着陸は、当初予定された数日間の活動を数時間に短縮せざるを得ない事態にも関わらず、成功したことが強調されています。
SLIMのミッションは、月の岩石を調査し、月の起源を解明することを目指していました。特に、ピンポイント着陸技術の成功は、月探査の新たな段階を象徴するもので、この技術により、月や他の天体へのより正確な着陸が可能になり、将来の探査ミッションの成功率を高めることが期待されています。SLIMは、日本が月面探査における国際的なリーダーシップを取る上で重要な役割を果たすとされ、日本の宇宙開発技術の地位を高めることに寄与すると考えられています。
また、このミッションは日本の宇宙探査技術の進歩を示し、月面探査の競争が激化している現在、日本がこの分野で重要なプレイヤーであることを証明しています。SLIMの成功は、民間企業の関与と宇宙開発の商業化にも影響を与えるとされ、新たなビジネス機会を生み出し、日本の宇宙産業の発展に寄与する可能性があるとされています。SNS上では、SLIMの月面着陸成功に対して祝福や賞賛の言葉が多く見られ、日本の宇宙開発の進歩に対する誇りや期待を表現する声が多く聞かれました。