目次
ヤマト運輸の大規模契約終了:影響と背景
ヤマト運輸の契約終了決定
- ヤマト運輸は、ダイレクトメールや軽量な荷物の配達を行っていた約2万5000人の個人事業主との契約を、2024年度末(2025年3月末)までに終了することを決定しました。
- この決定は、ヤマト運輸が日本郵便にメール便と薄型荷物の配達業務を委託する計画の一環として行われました。
契約終了の背景
- ヤマト運輸と日本郵便は2023年6月、メール便と薄型荷物の配達業務を協業することで基本合意しました。この協業の一環として、ヤマト運輸は配達業務を日本郵便に委託することになったため、個人事業主との契約を終了する必要が生じました。
契約終了への対応
従業員と労働組合の反応
- 契約終了の決定を受け、関係する従業員や労働組合は契約終了の撤回を求める抗議活動を行い、契約終了に対する不満と懸念を表明しています。
- 契約終了に対してヤマト運輸は「一人一人の契約終了に丁寧な説明を行い、団体交渉についても真摯に対応する」とコメントしていますが、個人事業主との団体交渉は法的な理由から拒否されています。
配達員の声:契約終了への反応と抗議活動
抗議活動
労働組合の行動
- 労働組合は、契約終了の撤回を求める団体交渉が会社側から拒否されたことを受け、東京の労働委員会に救済を申し立てました。
- 個人事業主として働く人々は、ユニフォーム着用や会社の携帯電話での配達時間管理など、法律上の労働者に相当すると主張しています。
ヤマト運輸の対応
日本郵便への委託移行:物流業界の変化
ヤマト運輸と日本郵便の協業
- ヤマト運輸と日本郵便は、物流業界のひっ迫に対応し、メール便と薄型荷物の分野で協業することで基本合意しました。
- ヤマト運輸が手がけるメール便「クロネコDM便」と薄型荷物を届ける「ネコポス」の配達業務を日本郵便に委託する予定です。
配達業務委託のスケジュール
ヤマト運輸と日本郵便からのコメント
- 日本郵政の増田寛也社長は、この協業が物流事業者を取り巻く厳しい環境における課題の解決に資すると述べました。
- ヤマトホールディングスの長尾裕社長は、今回のパートナーシップにより、商品の品揃えを維持しながら、より良いサービスを構築できると述べています。
まとめ
ヤマト運輸が約3万人の個人事業主との配達契約を終了する背景には、日本郵便へのメール便と薄型荷物の配達業務の委託があります。この契約終了の決定は、ダイレクトメールや軽量な荷物の配達に関わる多くの個人事業主と労働組合に大きな影響を与えました。契約終了に対する抗議活動が行われ、労働組合はヤマト運輸に対して団体交渉を求めるも、これが拒否されました。
ヤマト運輸は契約終了に際して、個人事業主に謝礼金の支払いと新しい仕事探しの支援を提供するとしています。また、会社はトラックによる宅配事業に経営資源を再配分する計画を発表しています。